課文

日本の政治

日本國憲法では、三権分立を國の基本制度としている。三権とは、法律を作る立法機関(國會)、國會で決まった法律や予算に基づく政策を実行する行政機関(內閣)、憲法や法律に違反していないかを裁く司法機関(裁判所)の3つを指す。そして、各機関に権限を與え、それぞれが獨立機関として、互いに抑制し合い、権力の行き過ぎを防ぐことを「三権分立」という。

□日本の政治の仕組みと國會の仕事(憲法第41條)
現在の日本の政治は、議會制民主主義(議會政治)によって行われている。國の意思決定を行う最高機関は「國會」と呼ばれ、選挙で選出された國民を代表する議員によって構成される。法律を作ることを「立法」といい、國會だけが行える重要な仕事になっている。予算の議決、內閣総理大臣の指名なども國會の重要な仕事である。

□衆議院と參議院(憲法第42條)
國會は、衆議院と參議院の二院からなっている。なぜ二院制を取っているかというと、法律など國にとって大事な問題について、2つの視點でダブルチェックできるからである。

□國會議員の選び方(憲法第43條)
國會議員は、國民の意思が政治に反映されるように、國民の中から選挙によって選ばれている。衆議院議員の數は480人、參議院議員は242人で、立候補できる年齢も、衆議院は満25歳以上なのに対して參議院は満30歳以上と異なる。

□參政権(憲法第44條)
國の政治(國政)に參加する権利を「參政権」という。參政権には、主に投票する権利(選挙権)と、選挙に立候補する権利(被選挙権)がある。「選挙権」「被選挙権」はともに、性別によらず、年齢を含む一定の要件を満たせば、すべての國民に與えられる。地方への參政権も衆參両院の國政選挙と同様で、下記の要件を満たしさえすればよい。たとえば、東京都知事の場合、満30歳以上の國民であれば、だれでも立候補できる。

□內閣の仕事(憲法第65條)
法律や予算に従って、実際に政治を行うことを「行政」という。國の最高の行政機関は「內閣」で、その最高責任者は內閣総理大臣である。內閣総理大臣は、各省などの長である國務大臣を任命して內閣を組織している。予算を作って國會に提出することや、外國と條約を結ぶことが內閣の主な仕事である。

□裁判所の仕事(憲法第76條1項)
爭いごとを解決したり、罪のあるなしを判斷したりするのが裁判所の仕事である。裁判官は、國會や內閣から獨立して、どこからも影響を受けず、憲法や法律に基づいて公正な判斷をする。こうした裁判所の働きを「司法」という。

2009年に「裁判員制度」が導入されてからは、特定の刑事裁判に限り、満20歳以上の日本國民から無作為に選ばれた人が裁判員となり、事件ごとに裁判官と審理に參加している。

<日本國憲法より>
第四章 國會
第四十一條
國會は、國権の最高機関であって、國の唯一の立法機関である。
第四十二條
國會は、衆議院及び參議院の両議院でこれを構成する。
第四十三條
両議院は、全國民を代表する選挙された議員でこれを組織する。
②両議院の議員の定數は、法律でこれを定める。
第四十四條
両議院の議員及びその選挙人の資格は、法律でこれを定める。但し、人種、信條、性別、社會的身分、門地、教育、財産又は収入によって差別してはならない。
第五章 內閣
第六十五條
行政権は、內閣に屬する。
第六章 司法
第七十六條一項
すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に屬する。

新出語彙2

さんけん(三権) [名]三權
ぷんりつ(分立) [名·サ變自] 分立
りっぽう(立法) [名] 立法
ぎょうせい(行政) [名] 行政
さばく(裁く) [動1他] 裁判、仲裁
しほう(司法) [名] 司法
さいばんしょ(裁判所) [名] 法院、法庭
けんげん(権限) [名] 權限、職權范圍
けんりょく(権力) [名] 權力
いきすぎ(行き過ぎ) [名] 過度、過火
こっけん〈國権) [名] 國家權力、主權
ゆいいつ(唯一) [名] 唯一
りょういん(両院) [名] 兩院(眾議院和參議院)
さんぎいん(參議院) [名] 參議院
ぎいん(議院) [名] 議院
そしき(組織) [名?サ變他] 組織、機構
さだめる(定める) [動2他] 規定、決定
せんきょにん(選挙人) [名] 選舉人
じんしゅ(人種) [名] 人種、種族
しんじょう(信條) [名] 信仰、信條
もんち(門地) [名1] 門第
さべつする(差別~) [名·サ變他] 歧視、加以區別
さいこうさいばんしょ(最高裁判所) [名] 最高法院
かきゅうさいばんしょ(下級裁判所) [名] 下級法院
みんしゅしゅぎ(民主主義) [名] 民主主義
いし(意思) [名] 意志
せんしゅつする(選出~) [名·サ變他] 選拔、選出
ぎけつ(議決) [名·サ変他] 議決、表決
にいん(二院) [名] 二院、兩院
してん(視點) [名] 角度、觀點、視點
ダブルチェック [名·サ變他] 雙重把關;再次確認
はんえいする(反映~) [名·サ査他] 反映.反射
さんせい(參政) [名] 參政
こくせい(國政) [名]國家政治,國政
ようけん(要件) [名] 必要條件、要事
とどうふけん(都道府県) [名] 都道府縣
しちょうそん(市町村) [名] 市町村
くいき(區域) [名] 區域
ひきつづき(引き続き) [名] 連續;繼續
ちょう(長) [名] 長、首領
こくむだいじん(國務大臣) [名] 國務大臣
にんめい(任命~) [名·サ變他] 任命
じょうやく(條約) [名] 條約
あらそい(爭い) [名] 紛爭
つみ(罪) [名] 罪行
あるなし [名] 有無
さいばんかん(裁判官) [名] 法官
こうせい(公正) [名·形2] 公正
さいばんいんせいど(裁判員制度) [名] 審判員制度
とくてい(特定) [名] 特定
けいじさいばん(刑事裁判) [名] 刑事判決
むさくい(無作為) [名] 隨機、非人為
さいばんいん(裁判員) [名] 審判員
しんり(審理) [名·サ変他] 審理,審判

~権(けん) ~權
~制(せい) ~制度
~項(こう) ~項、~條
~主義 ~主義
被(ひ)~ 被~
満(まん)~ 滿~

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